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離乳食を生後半年で始めるな❗️

はじめに

最近の考える子育ての危機感として、子育てに求められているクオリティが高過ぎると考えている。僕はよく赤ちゃんを育てている親御さんに話をする機会が多いが、「ウチの子〇〇なんですけど大丈夫ですか?」とか、「生後○ヶ月からと育児本に書いているけど、ウチの子は進められない。」などの不安を聞くことがある。基本的におおよそ気にし過ぎなことが多く、その親の多くは真面目だ。ネットに蔓延る真偽不明の多くの情報から不安になることが多い。しかし、その不安になる親御さんの多くは真面目で子どものためにあれこれ調べている。その真面目な親こそ僕は救いたいと考えていて、ひいては子どもを救うことになると考えている。

「離乳食は生後半年から」の落とし穴

離乳食を作るのは大変

多くの子育て本に書いている。「生後半年から少しずつ離乳食を始めましょう」。この言葉に多くの親が心をやられてきた。緩い粥を作って、もしくは人参を柔らかくなるまで炊いて、裏漉しして苦労して苦労して作った離乳食を子どもがペッと吐く。ゲンナリしてまた昼御飯がきて晩御飯がくるみたいなことで精神をやられてきた親御さんは多くないですか?

成長にはかなり個人差があり、特に幼少期であればあるほど誤差は大きく出る。例えば未熟児と言われるような状態で生まれた子の生後半年と3000gを超えるようなしっかりした体重で生まれる子どもの生後半年は同じものなのでしょうか?ここで大事なのは、「離乳食を始めるのは(平均)生後半年」ということだ。例えば、生後1年の平均身長がおよそ73cmで9kgぐらいだと思うのだが、65cm、8.0kgだと異常かというとそうではない。ただ、平均より10%ぐらいは小さくなる。じゃあ、生後半年が平均の離乳食を8ヶ月から始めたら異常かというとそうではないということなのだ。離乳食を始めるのに大事なのはある条件を3つクリアすることだ。その条件をクリアするまでは無理に離乳食を始めなくていい。その条件をクリアするのがある赤ちゃんでは生後半年かもしれないし、生後8ヶ月かもしれないし、生後10ヶ月かもしれないというだけなのだ。

離乳食を始める3条件

まずは「座った状態を維持できる」だ。そもそも食事をするのに姿勢の維持ができなければ、食事はできない。生後半年というだけで離乳食を始め、グンニャリしている赤ちゃんに一生懸命食べさせようとしている親御さんを見ることがある。食事をする土俵に立っていない。このときすべきことのは「ハイハイ」をさせたり、「体を動かすような遊び」だ。離乳食を与えることを頑張ることではない。

次に「食べ物に興味がある」だ。他の家族が食事をしている時に手を伸ばすなどの自分も食べたいという興味を示しているかどうかだ。赤ちゃん自身に興味がないのに食事はできない。馬を水飲み場に連れていくことはできても水を飲むかどうかは馬次第だみたいなことだ。このときにすべきことは「食事をしているところを見せる」だ。離乳食を与えることを頑張ることではない。

最後に「口に離乳食を入れた時に吐き出さない」だ。離乳食を始めた当初に口に入れたらペッと吐くことがある。これは赤ちゃんがまだその時ではないと言っているのだ。今日の晩にまた挑戦するとかじゃなくて、1週間後とか2週間後に挑戦すればいい。それまでは赤ちゃんとスキンシップでもして遊んであげればいい。ここでもすべきことは離乳食を与えることを頑張ることではない。

知識があれば無駄な努力は減らせる

子育ては楽しかったり、子どもの成長が嬉しかったりはするが、決して楽な仕事ではない。毎日続くし、今日はお休みというわけにはいかない。いかに楽にできるかというのは毎日続けていく上で非常に大事なポイントになる。その中で、無駄な努力は省きたいポイントになる。生後半年だから離乳食を始めたけど赤ちゃんが食べないということにどれほどの親御さんが難渋してきたことだろうか。しかし、上記したように頑張るのは離乳食を与えることではないのだ。それは今すべきことではないと知っていたなら、どれほどの親御さんが救われるだろう。

知識で、正しい情報で、無駄な努力は減らすことができる。真面目な親御さんほど悩んでいることがある。僕はこれを減らしたいと思っている。言葉を知らない赤ちゃんが全力で頼らないといけないのが親というものだ。その時に頼りたいひとが悩んでいたり疲れていたらどうだろうか?頼りたいと思うだろうか?赤ちゃん自身も不安になると思わないか?最初に話した親御さんを楽にすることがひいては子どもを救うことになるというのはそういうことだ。

平均値の落とし穴

離乳食を始めるのは生後半年というのはあくまで平均であり、目安だ。僕は一応プロなのでそういう知識も必要だし、説明にも使う。しかし、一般のひとは子どもを1人か2人育てるぐらいだ。その子どもが平均値である保証なんて何もない。もっと言うと平均値には落とし穴がある。

どこかの国の戦闘機の椅子が良くないということで、戦闘機乗りの身体の各サイズを測ったそうだ。身長体重から腕周りや肩幅など細かく測って平均を出して、戦闘機の椅子を作ったという話がある。ここまではなんとなくそんなもんだろうと思うかもしれない。しかし、ここからが興味深い話でここで出された平均値に全く同じ値の人間は誰一人いなかったのだ。みんなどこかしら平均値からズレていて、全身くまなく平均値というひとはいなかったというのだ。

この話を聞いて「そらそやろ!」と思うひともいるかもしれない。じゃあ、「生後半年で離乳食を始める」ということに関してはどうだろうか?みんながみんな生後半年になると考えるだろうか?ましてや生まれるタイミングはかなり個体差があるし、それからの成長もかなり個体差のある時期だ。

つまり、大事なのは「平均値を気にすること」ではなく、「自分の子どもを観察すること」なのだ。自分の子どもがどの時期なのかを理解することが大事であって、自分の子どもが平均からどれくらいズレているかは意識する必要がない。

おわりに

この記事をここまで読んだ方はおそらく親の偏差値みたいなものがあるとするならば65は超えていると思う。十分優秀だ。何かできていないことがないかと悩む必要はない。基本的に赤ちゃんの時期で親がして上げるべきことは「スキンシップ」と「目を見ていっぱい話をすること」だ。

離乳食で悩む親御さんは多いが、この記事で悩むひとが一人でも減れば嬉しい。もしこれってどうですかとかあれば、YouTubeのコメントにでも残していただけたらコメントで返すか、またブログ記事にしたいと思う。