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SNSが難しい
はじめに
先日、第68回全日本学生空手道選手権大会がありました。その中で慶應義塾大学の空手道部が女子形全国制覇したと月井隼南選手がXでポストを上げていた。その先に上げていた内容に返信をしたところプチ炎上しまして、月井隼南選手をはじめ関係各位、ご不快な思いをしたならこの場を借りて謝罪させていただきます。大変申し訳ありませんでした。
ただ、僕自身月井隼南選手を批判する意図は絶対にありません。アスリートに対して敬意を表すことはあっても批判は間違ってもしません。
一応、自分の考えを140文字で連ねては難しかったので、ブログ記事として書かせていただきます。
間違いがないようにその時の考えや後から読み返して思ったことなどを全部書くと長くなってしまいましたが、今回文章が足りなくて問題になったので、長々と書かせていただきました。最後まで読んでもらえれば幸いです。
ことの発端
月井隼南選手は自身が監督を務めている慶應義塾大学の監督をされているそうです。それは自身はフィリピンの代表でありつつ、世界チャンピオンを目指すことで頑張っている生徒たちにも背中を見せられるのではないかという思いからだそうです。
その中で、監督という立場で試合に参加しているのに髪色を注意されたそうです。それに対する不満をXでポストしておられました。
内容としては「大人になって所属先が許してくれてても、日本で空手の監督をする人は髪の毛染めちゃだめらしい🥺可愛い髪型したいだけなのに🥺白髪染めはいいのに🥺」、「学生がダメなのは分かる。校則とかにもルールで書いているし。でも大人に対してダメな理由がわからない。」というものでした。
それに対して僕が「地毛の色がどうかはあると思いますが、学生にルールを強いている以上、ルールを強いている大人が身をもって態度で示すのは悪くないと思います。」と返信をつけた。
ここから論争になったのだ。
意見の行き違い
月井隼南選手は「そもそも髪の毛を染めないことを通じて大人は学生に何を教えたいのですか?人生には選択の自由があり、少なくとも私の所属先や生活をしている範囲内では髪色に対してのペナルティを課せられるようなことはありません。空手(武道)をしている人=地毛ではないといけないというルールでもあるんでしょうか?」とのことでした。
今から読み返すと僕が言う「大人」と月井隼南選手が言う「大人」の範囲が違うかったのかなと考えています。僕の言う「大人」は学生に指導しているひとや審判を含め年長者全員。月井隼南選手の言う「大人」は審判の先生方以上ぐらいの感じではないでしょうか。タイミングによっては自身を含む「大人」もあるようですが。
僕は学生から見たら指導者も審判の先生方のみんな「大人」だと思っていましたが、月井隼南選手としては自身はそのルールを強いていないのでその「大人」の中には入っていないということなのだと思います。今となればそこにお互いの認識のズレを感じています。
これに対する僕の返答は「それは知りません。僕が決めたことではないので。学生にルールを強いるなら強いる大人が態度で示してもいいのでは?と言っているだけです。そもそも論は僕の知るところではありません。ルールに書いているから学生は染めてはいけないのはわかるとのことなので。」としています。
読んでいただいたら分かる通り、僕は一貫して学生にルールを強いるなら大人が態度で示してもいいのでは?と言う話をしているのですが、月井隼南選手はそもそも論として髪色を咎められたことに対する不満があり、学生に髪色をとやかく言うのも違うのでは?と元々の思いもありのスタートの発言なので、そのあたりが僕の読解力のなさで汲み取れていなかったのかなと思っています。
多分、月井隼南選手の本来の言い分は学生の髪色をとやかく言うのもおかしいのに、大人の髪色とやかくいうのおかしいだろということだと思う。僕は月井隼南選手の「学生がダメなのは分かる。校則とかにもルールで書いているし。でも大人に対してダメな理由がわからない。」という発言からルールなんだから学生は仕方ないよねというのを良しとはしないまでも仕方ないぐらいは了承していると考えていたのだ。そこにまた認識のズレを感じている。
そこからすれ違い続ける
そこからの月井隼南選手のポストはこうなっている。「それこそ学生にルールを強いているのは他の方であって私ではありません。私自身学生時代しっかりルールを守って努めていました。髪の毛は個人の外見やアイデンティティにつながることもあるので、強いるということ自体に違和感があります。また、監督に対しての髪色の指定はルールにもありません。」
僕の返信は「外見に関してはどこまで認めるのか問題になると思います。長い爪がアイデンティティですと言われても空手のルール上認めにくいですよね?どこまで認めるのかの問題があるのであると思います。(原文ママ:あるのではないかと思います。の間違い)髪も色(原文ママ:「髪の色は」と書きたかった)いいのか、長さはどこまでいいのか、纏めたらいいのか、そのあたりのライン引きの問題かと思います。」とした。
僕は髪色を外見のアイデンティティとして認めるなら外見のアイデンティティをどこまで認めるのかという問題になるという問題提起をしています。個人的に見た目に関して「私はこれがアイデンティティなのだから認めるべきだ」はかなり厳しい主張だと考えています。では、道着の色は?道着そのものは?そのルールは受け入れて良くて髪の色は認められないはそれぞれの都合の問題です。ファッションが私のアイデンティティだというひともいるでしょう。髪色は認められて道着は認められないのはおかしいと言うひとがいてもおかしくない。それを認めずらい例として爪を上げました。空手は競技特性上ケガの可能性があるからです。
そういった意味でネイルを上げたのですが、140文字でこちらの意図が説明できず、伝わることはなく、このあたりは月井隼南選手のファンと思しきひとたちからも批判のコメントをいただいています。すみません。
月井隼南選手からは「空手で長い爪がいけないのは安全性を配慮していのことです。ちゃんと理由があるし、理由がちゃんとしているからそれには従います。実際世界選手権では短ければネイルやキラキラの可愛い爪でも出場できま寿司、陸上や他のスポーツでは長くても出場できます。爪と髪色を一緒にするのは話が違います。」とのことでした。
これに関してはこの段階でこちらの意図が伝わっていないのが完全にわかったので(月井隼南選手の読解力の問題ではなく、僕の文章力の問題)、次のような返信にしました。「果たしてそうでしょうか?色のアイデンティティは認めるのに形のアイデンティティは無視してもいいのでしょうか?どこかで引かないといけないラインがどこなのかの問題です。あと、僕は髪色染めてもいいと思っていますよ。」としました。
僕としてはここで陸上を出すのは違うかなと思っていました。コンタクト競技じゃないからです。僕がネイルを例に出したのは認めにくい見た目に関するアイデンティティの例として出したのですが、その辺りの意図は伝わっていません。髪色とネイルを一緒にするなとのことでした。ここは道着の色とかの方が安全性に問題ない見た目の例として良かったかもしれません。これは月井隼南選手のファンと思しき人からも批判を受けていることを考えても僕の例えが良くなかったと思っています。
月井隼南選手は「色についてのアイデンティティとして伝わってしまったのであれば私の伝え方が良くなかったかもしれません。爪は形うんぬんではなく”長いと危険”だからダメなんです。髪を染めていると犯罪を犯すとか、免疫が弱くなるとか、髪色について何かそういういけない理由はあるのでしょうか?私はみあたらないです」とのことでした。
僕はこれに二つ返信しています。「ないと思いますよ。昔ならいざ知らず。日本は昔、髪染めたら不良みたいな文化だったので、その頃の名残じゃないですかね?ただ、割れ窓理論っていうのはあって小さいルール違反を許すと良くないという考え方もあります。免疫が下がるは聞いたこともないです。」としました。爪に関しては完全に僕の例えミスなので言うことはないのですが、学生の髪色がルール違反ならば割れ窓理論の適応にはなるかなと思います。そこからは月井隼南選手は監督側にそのルールはないという言い分と、僕の学生にルールを強いるならその強いている「大人」は態度で示してもいいのでは?と言う考えと、僕のいう「大人」は月井隼南選手を含みますが、月井隼南選手としては私は学生に強いていないという言い分が入り乱れていると思います。
もう一つの返信は「あと何度も言いますが、僕は髪染めたらいいと思っていますよ。プレーさえしっかりしてたら。ルールで学生を縛るなら周りの大人も態度で示すのは悪くないってい言っているだけです。学生に対して指導するのに態度で示した方がいいと思うのですが違いますか?」としました。
僕が言っていること自体は一貫しているのですが、月井隼南選手のメインの不満を汲み取れず文面のまま受け取ったことと、僕の例えの意図が伝わらずズレてたことで問題が広がったように思います。
その後
もう一つの返信の方に月井隼南選手からの返信がついており、「私が現役選手として強豪校のコーチをしていた理由が自分が世界チャンピオンを目指すことで、頑張っている生徒たちにも背中を見せられツノではないかという思いからでした。なので指導するのに態度で示すには共感します。しかし、好きな髪型を我慢することが態度で示すことに繋がるとは思えません。」とのことでした。
これに3つ僕は返信をつけています。まずは「僕がおじさんで髪型どうでもいいので共感できなくて本当に申し訳ないんですが、その辺りは若い価値観がルールに反映されたらいいと思います。なぜならこれからは若い世代が作るからです。プレーヤーが増えることが業界の力を大きくすることになります。」
これは本当にそのままの意味です。僕が「若い女の子の好きな髪型を我慢する」ということの大きさを理解できていません。昔から髪の毛は女性の命とか言われたりもしますが、僕からしたら伝聞の情報であり、髪型がどうでもいいおじさんがこれを理解できるは嘘だと思います。若い世代が増えることが業界が盛り上がるので、若い選手がやりやすいようになればいいなと心底思っています。
2つめが「ちなみに陸上ではジョイナーって選手が長いネイルをつけて圧倒的な走りを見せて金メダルを取りました。多分陸上でネイルとか当時流行りのパーマをバリバリして走る初めてのひとだったと思います。多分そういう先駆けみたいな選手がどの業界にもいて空手界では月井選手なのかもしれません😄」
どの業界でもヒーローとかヒロインの存在があって業界を切り拓いたひとというのがいます。野球で言えば野茂英雄選手。今でこそ毎日メジャーリーグの試合結果が流れるようになりましたが、これは野茂選手がいたからです。水泳界でいえば北島康介選手。それまでは水泳はプロで食べられるようになるのは難しい競技だったようです。スポンサーなどもつき、プロアスリートとしてやっていけるようになったのは北島康介選手以降だと聞いています。空手ではご飯がしっかり食べられる選手は少ない。業界も大きいし、世界に広がっている競技であるにも関わらずです。やはり競技として若者が憧れる競技になった方が業界も盛り上がると思うし、それにはもっと劇的なヒーローないしヒロインが必要だと考えています。
3つめが「多分これを認めると次に問題になるのがは社会人ならいいのか、大学生ならいいのか、高校生ならいいのか中学生ならいいのか小学生ならいいのかという問題だと思います。だから学生はダメってラインが分かりやすかったのかなと思います。」とした。この3つめに月井隼南選手の返信がついており、「丁寧に説明いただきありがとうございます。私は今回監督という立場でコートに立っていたのに対して何度か口頭で注意されたので、納得できませんでした。もちろん学生には必要なルールがあったり、そのルールに助けられることたくさんあると思いますが、髪色は社会人に対しては重要ではないかなと。」とのことでした。
大学生を社会人とするか学生とするか、成人しているで個人の責任とするか、学生なので親の保護下とするのかの問題があります。18歳から成人になったのは2022年です。それまでは成人と未成年が混在していたのが大学生です。これに素早く柔軟に対応するのは大きい団体では難しいでしょう。月井隼南選手や時代の若く柔軟な考えに業界団体としては追いついていないと言わざるおえないでしょう。
そして、僕の個人的な意見である学生にルールを強いるなら周りの「大人」は態度で示すべきではないか?という考えを髪色にまで適応するのかどうかなどの問題があると思います。
その後、僕は「いえいえ、こちらこそ現役選手に無礼をしました。申し訳ございませんでした。こういう発信が業界を変えることもあると思いますので、是非ドンドン発信してください。むしろ月井選手がルールで許されるギリギリ攻めたカッコで世界一になりまくるが解決策ではないでしょうか🤔」に対して月井隼南選手は「太田さまや他の皆様の貴重なご意見を聞くことができたので良い機会になりました。ありがとうございます🙇♀️」で終わりです。
おわりに
月井隼南選手とは誤解が解けたかなとは思っているのですが、実際はどうなのかは分かりません。僕は一貫して学生にルールを強いるなら「大人」は態度で示すのがいいのでは?ということであり、月井隼南選手を批判する気は一切ありません。この「大人」に含まれるかどうかの認識の違いぐらいで態度で示すというのは月井隼南選手も同じ考え方だと思います。
僕自身がかなりしっかりルールを守る方なので高校生の頃はしっかり校則を守っていました。友人が髪を染めているのを注意されていて、その注意している先生が白髪染めをしていたので「それはいいのか?」と関係ないのに噛み付いたほどです。先生の言い分としては「元の髪が黒色だから」とのことでしたが、「先生の元の色は白でしょう」みたいな言い合いになった覚えがあります。
最後に少し書いていますし、今の僕を知っているひとはわかっていると思いますが、僕は40過ぎの男性で髪型はツーブロックのロン毛で結んでいます。このおっさんが人様の髪型がどうとか髪色がどうとかいうわけがありません。言う権利もない。楽を求めた結果行き着いた髪型ではありますが、自分でもなんでこうなったんやろと思うほどです。
僕は自分に才能がないのもあって世界で戦うようなアスリートは尊敬の対象です。尊敬こそすれ批判をするなんてありえません。
月井隼南選手には業界を代表するカッコイイ選手になっていただきたく思います。