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お口ぽかんの原因と治すには?
はじめに
Yahooの記事でお口ぽかんの特集が組まれていた。お口ぽかんには3つのリスクがあるという。
1つめは歯並びが悪くなるリスク、2つめは虫歯リスク、3つめは風邪などの感染のリスクである。これらに特に異論はない。原因であるお口ぽかんを「口唇閉鎖不全症」という名前で紹介していた。僕は以前からこういったことを調べ、実践してきたのだが、僕はこの記事のもう少し先の話をしようと思う。
お口ぽかんのリスク
みなさんはお口ぽかんの原因はなんだと思われるだろうか?僕は昭和の人間なので口を開けていたら、今では言ってはいけないような言葉で注意をされたものだ。姿勢が悪くても叱られたし、食事中に肘をついても叱られていた。昨今はそういうことを注意する大人が減ってきた。あまりガミガミいうのが良くないという風潮からだ。
それは確かにそうなのだが、姿勢の理解は必要だろう。僕もよく注意は受けたが、理由などは明確に語られたことはない。「だらしない」とか「ちゃんとしろ」とかそんな理由で叱られたものだ。では上記のリスクを踏まえてさらにその先の話をしよう。
歯並び
歯科医師はよく「歯並びが悪くなったら歯科矯正をしましょう」という。僕はこれに疑問を投げかけている。なんとか歯科矯正が必要ない人生を子どもに送らせることはできないか?そのためには歯並びが悪くなる原因を探らなければいけない。
まずは『遺伝』だ。これは避けることができない。多少は仕方ないだろう特に先天性欠如や過剰歯の場合は歯並びに不具合が出る可能性が高い。これはなんかしらの対策が必要だ。しかし、歯並びが悪くなる原因のほとんどは『環境要因』だと言われている。つまり生まれてからの環境の問題なのだ。その環境の最たるものが『姿勢』である。それはなぜかという話を進めていこう。
原因
歯並びが悪くなる原因は『遺伝』を除くと基本的には二つ「スペース」と「バランス」だ。
「スペース」は言わずもがな、単純に歯が入るスペースがなくなって入りきらなくて歯並びが悪くなる。昨今の子どもは顎が小さく、栄養状態がいいので歯が大きい。その結果入りきらなくなるのだ。しかし、栄養状態がいいのは悪いことではない。これをどうこうするのは子どもの顎が小さいのをもう少し大きくする必要があるだろう。これは次にも繋がるので後述する。もう一つがかなり重要で、筋肉の「バランス」だ。歯並びというのは口唇、頬、舌この3つ「バランス」のいいところに歯が勝手に並ぶのだ。「スペース」がないならないなりの「バランス」のいいところに並ぶ。この発想が大事で、これは『口元の姿勢』と言っていいと思う。
この『口元の姿勢』が乱れると歯並びが悪くなるのだ。
そして、『口元の姿勢』だけいいということもない。あくまで全身の『姿勢』の中に組み込まれている。全身の『姿勢』の中に『口元の姿勢』もあるし、もっというと『口元の姿勢』の中に口唇、頬、舌の他に上顎、下顎なんかも含まれているし、上顎とか下顎の中に歯の形や本数などが含まれてくる。
大きい「バランス」と小さい「バランス」の両方見ていないと、ゴールに辿り着かないのだ。
とりあえず、歯並びが悪くなる原因は「スペース」と「バランス」だということと、あくまで全体の「バランス」があっての『口元の姿勢』だということだけ覚えておいていただきたい。
『姿勢』のゴール
では、『姿勢』のゴールとはどうなのか?詳しい説明は文章だけでは難しいので、結論だけ書くのだが、「骨で立つ」ことだ。多くのトップアスリートは「骨で立つ」ということを当然のようにしている。なるべく筋肉を使わずに立つということだ。立つために使う筋肉は原則深部筋と思ってもらって構わない。表面の余分な筋肉を使って立つと立ち姿が美しくないのだ。
「骨で立つ」という時に僕が意識しているのは「ヒトという動物の進化」を信じるということだ。長い時間をかけてこの骨格のフレームは完成されている。これに間違いなどあろうはずもないのだ。ただ、二足歩行というのが難し過ぎるあまりフレームデザインが高度過ぎてヒトという動物自身が使えていないというのが現状だと考えている。この骨格のフレームに頼ればほぼ筋肉を使わずに立てるということを知ることが大事なのだ。
そして、そのポイントは『うなじを伸ばす』ことと『腹圧を上げる』ことだと覚えておいてほしい。これは僕の体験型の講義で体感することができるのだが、今は結論だけ覚えておいてほしい。
では、そこに向かってヒトという動物はどのように向かっていくのだろうか?
成長過程
これも深く話をすると長くなるので割愛するが、野生の動物であれば生まれてすぐに立ち上がる。ヒトは生まれてすぐは母に捕まってくっついていられるだけの力もない。親に守られること前提で生まれてくる稀有な動物だ。
そして、首が座り、寝返りをうち、ハイハイができるようになって、座っている状態が維持できるようになって、そしてつかまり立ちをする。
これは背骨の周りの筋肉(脊柱起立筋)が上から鍛えられていっていることを示している。
そして、僕は授乳姿勢について論文で調べたのだが、論文ベースでいうとお母さんがソファにもたれるような姿勢で、赤ちゃんが上から覆いかぶさるような姿勢がいいとされている。
これで正しい嚥下を覚えやすかったり、他の論文でも原子反射の発生が良くなるという論文もある。ここで注意なのだが真面目なお母さんが陥りやすい落とし穴がある。「私、そんな体勢で授乳していない」とか「じゃあレイバックで授乳しないといけない」とか自分を追い込んでしまうのだ。いつもでなくていいし、できる余裕のある時にしてくれればそれで十分だ。
この授乳姿勢の何がいいかというと、赤ちゃんが授乳している時に顔がおっぱいに埋まるのだ。赤ちゃんは鼻呼吸なので、鼻が塞がると困るので、頭を上げるようにしながら嚥下(飲み込む)をするのだ。これの何がいいかというと、原始反射などを誘導するというのもあるのだが、『うなじを伸ばす』ことになるのだ。赤ちゃんに「うなじを伸ばしてね」といったところで理解できない。これをせざるおえない状況に持っていくのが大事なのだ。そして、赤ちゃんは泣くのが仕事と言われる。これは『腹圧を上げる』ことになるのだ。
お分かりいただけるだろうか。二足歩行に必要な姿勢のポイントの『うなじを伸ばす』ことと『腹圧を上げる』ことをこの頃からしているのだ。生まれてすぐから姿勢のゴールに向かって歩いているのだ。
舌の位置
この『うなじを伸ばす』ことと『腹圧を上げる』ことができていると、自ずと舌が上顎に収まるのだ。みなさんは歯並びが綺麗なひとのイメージとして、歯並びのアーチが馬蹄型(U字)のイメージはないだろうか?あれは舌の形なのだ。歯並びの悪いひとはV字になってスペースが足りなくなる。V字になる理由を説明は今回割愛する。
上顎に舌が収まり、嚥下もしっかりでき、歯が並ぶための「スペース」と「バランス」が整うのだ。
おわりに
ということで、実は赤ちゃんが生まれたところからもう赤ちゃんの歯並びを整えるためにできることは始まっている。もっというと、妊娠期の姿勢から影響するし、それに備えるために妊娠前の女性の運動不足は解消したほうがいい。赤ちゃんに関してはどうしても女性に負担がいってしまう。妊娠出産が絡むのでどうしても仕方がないのだが。
授乳についても哺乳瓶があるじゃないかと思うかもしれないが、下を向いて飲める哺乳瓶が存在していない。ストローではなく、乳首の形で飲める必要があるのだ。
実はそれを解消するための下を向いて飲める哺乳瓶のデザインはできている。しかし、お金がかかる。ということで、まずは赤ちゃんの首が上を向けなくてもいい哺乳瓶のアタッチメントを開発中だ。ドンとお金をいただけるなら、いきなり下を向いて飲める哺乳瓶の開発も可能なのだが、なかなかそうはいかない。
今後哺乳瓶のアタッチメントの開発の動向もあるので、そういったところも発信できればいいなと考えている。
乞うご期待❗️