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虫歯が治るジェルができるってよ!
はじめに
またXでひどい投稿をみた。特定すると問題があるので、少しぼやかすがざっくり言うと、
「アメリカで痛くない虫歯治療ができそう!」
というものだ。まぁここまではいい。しかし、ここからが問題だ。
ついている画像がかなり大きい虫歯にジェルをつけたら歯が再生したような画像をつけているのだ。しかも、文章にエナメル質を再生するとも書いている。これは大いにミスリードを招く。
くわしく説明していこう。
元の論文
以前からされている研究だし、今回はNatureという世界的に有名な雑誌にも載ったようなので、それを一次資料とする。論文の信頼度は非常に高い。(元論文)
簡単に説明すると、『歯のエナメル質って丈夫でいいよね。普通の再石灰化ではこの丈夫な構造ができないので、それができるようにしました。』
というような内容だ。そして、この研究はex vivoと言って要するに生体内で行われた実験ではない。生体内で行われる実験をin vivoといいます。つまり、実用化にはまだいくらかステップが残っているということです。
しかもこの論文だけでなく、この手の論文では全てRejeneration (再生)ではなく、remineralization(再石灰化)という表現を使っています。この論文の題は意図的にRestore(回復)を使っているが、それらはどれも再生を示すものではなく、科学的に大きく意味が違うためあえて避けていると言っていい。それなのに再生するといってしまうと、その投稿だけみたひとは虫歯は治る病気なんだと勘違いするのではないだろうか?
さらに、これは論文に書いてあることなのだが、欠損のないエナメル質に限局している。その投稿に付けられている画像はかなり大きい実質欠損がある虫歯が元通り治っている画像がついていた。これをみて大きい虫歯が治ると思うひともいるだろう。実際リプ欄には「歯医者の仕事がなくなる」などのコメントが多数あった。その程度でなくなるならなくなったらいいが、そもそも虫歯になるような生活習慣を直せとは思う。
個人の感想
実際この研究の範囲はおそらく実現可能なのでは?と思っている。要するに実質欠損を伴わないエナメル質の再石灰化だ。これはいつか実現するだろう。今されている歯が生える実験よりは実用的かつ実現の可能性がある。
ただ、実質欠損を伴う虫歯の『回復』は非常に難しい。あくまで違う材質で似た形のものを作る『修復』しかできないのだ。これはどんなインプラント専門医に聞いてもそうだと思うが、どんなにいいインプラントをいれても健康な自分の歯を上回ることはない。
つまり、失ってから如何に治そうとするのではなく、そもそも失わないということが大事なのだ。
おわりに
僕は歯科や医療に関するネットの噂を調査している。もし気になるネットの噂があったら教えていただきたい。いろいろ調べて説明していきたいと思う。
みなさんも一次資料にあたりましょう!!!